Nature ハイライト
構造生物学:力依存的なTGF-β1の活性化
Nature 542, 7639
トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)ファミリーのメンバーは、発生、創傷治癒、免疫応答および腫瘍発生において機能する。TGF-βはそのプロドメインと結合した不活性な潜在型状態で存在し、受容体であるインテグリンαVβ6との結合のような特定の刺激によってのみプロドメインから放出されて活性化する。T Springerたちは今回、TGF-βと結合したプロドメインTGF-β1前駆体(pro- TGF-β1)とインテグリンαVβ6の頭部とが結合した複合体の共結晶構造を決定し、モデル化を行うことで、潜在型pro-TGF-β1のインテグリンとの結合における構造的特徴を明らかにしている。彼らは、力依存的な潜在型複合体の分子的変化が、TGF-β1の活性化を引き起こすことなどを見いだしている。
2017年2月2日号の Nature ハイライト
神経科学:インターロイキンは感覚応答を調節し得る
発生生物学:リンパ系細胞分化の代謝による制御
構造生物学:力依存的なTGF-β1の活性化
構造生物学:環状ヌクレオチド依存性チャネルを見る
量子物理学:原子時計状態におけるスピン–軌道結合
物理学:短期記憶のクールな技術
画像化技術:単一原子レベルでの材料特性
地球科学:熱帯泥炭地の炭素貯蔵
生態学:樹木限界の生態系の特性
比較ゲノミクス:プラスモジウム属のゲノムからマラリア原虫の進化についての手掛かりが得られた
植物科学:トウモロコシにおける半数体の誘導
免疫学:関節リウマチにおける末梢ヘルパーT細胞
がん:膵臓がんでの遺伝子欠失