Nature ハイライト
比較ゲノミクス:プラスモジウム属のゲノムからマラリア原虫の進化についての手掛かりが得られた
Nature 542, 7639
T OttoとM Berrimanの研究チームが今回、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)とヒトに感染可能な2種の卵形マラリア原虫(P. ovale)のゲノム塩基配列を報告している。これらの種は、ヒトに感染しても循環血液中に存在するレベルが低く、また共感染も頻繁なため、研究が困難であった。これらの寄生虫の保因者にはあまり重篤な症状が見られない可能性があり、マラリアの臨床例の最高で5%程度にはこれらの寄生虫が存在すると推定されていて、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)や三日熱マラリア原虫(P. vivax)との共感染で見つかることが多い。今回得られた新しいゲノム塩基配列は、プラスモジウム属のヒトへの感染性やマラリアの疫学についての研究の情報資源になる。
2017年2月2日号の Nature ハイライト
神経科学:インターロイキンは感覚応答を調節し得る
発生生物学:リンパ系細胞分化の代謝による制御
構造生物学:力依存的なTGF-β1の活性化
構造生物学:環状ヌクレオチド依存性チャネルを見る
量子物理学:原子時計状態におけるスピン–軌道結合
物理学:短期記憶のクールな技術
画像化技術:単一原子レベルでの材料特性
地球科学:熱帯泥炭地の炭素貯蔵
生態学:樹木限界の生態系の特性
比較ゲノミクス:プラスモジウム属のゲノムからマラリア原虫の進化についての手掛かりが得られた
植物科学:トウモロコシにおける半数体の誘導
免疫学:関節リウマチにおける末梢ヘルパーT細胞
がん:膵臓がんでの遺伝子欠失