Nature ハイライト

比較ゲノミクス:プラスモジウム属のゲノムからマラリア原虫の進化についての手掛かりが得られた

Nature 542, 7639

T OttoとM Berrimanの研究チームが今回、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)とヒトに感染可能な2種の卵形マラリア原虫(P. ovale)のゲノム塩基配列を報告している。これらの種は、ヒトに感染しても循環血液中に存在するレベルが低く、また共感染も頻繁なため、研究が困難であった。これらの寄生虫の保因者にはあまり重篤な症状が見られない可能性があり、マラリアの臨床例の最高で5%程度にはこれらの寄生虫が存在すると推定されていて、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)や三日熱マラリア原虫(P. vivax)との共感染で見つかることが多い。今回得られた新しいゲノム塩基配列は、プラスモジウム属のヒトへの感染性やマラリアの疫学についての研究の情報資源になる。

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