Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
Nature 543, 7646
15番染色体のある領域(15q11–13)の重複は、臨床的な発達障害症候群を引き起こし、自閉症もその中に含まれる場合がある。自閉症患者は、母親から受け継いだUBE3A遺伝子のコピーを余分に持っており、UBE3Aは脳の複数の領域で発現する。今回M Andersonたちは、マウスでUbe3aタンパク質レベルが増加すると社交的な行動が抑制されること、そしてこの抑制は報酬と嫌悪の処理に関わるとされる脳領域である腹側被蓋野でのCbln1の発現低下と関連することを示している。てんかん発作は一部の自閉症患者でよく見られ、この経路を介する社会性低下を悪化させる。著者たちは、この回路でCbln1の発現を回復させるだけで、Ube3aが過剰でてんかん発作を起こすマウスの社会性を回復させられることを見いだした。
2017年3月23日号の Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
物性物理学:顕微鏡下の振動
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
地球科学:下部マントルの化学的組成
生態学:女王バチの保全
遺伝学:脊椎動物ゲノムにおけるKZFPファミリーの進化
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
発生生物学:生殖幹細胞の生存を調節