Nature ハイライト
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
Nature 543, 7646
植物は土壌の細菌群集に囲まれて生きており、細菌群集の構成は土壌中の栄養の変化によって変わり得る。そのため、有益な土壌微生物であっても、栄養に関して植物と競合することがある。J Danglたちは今回、微生物群集の存在下で、植物がどのようにして自身の免疫応答と栄養の不足を調整しているのかを調べている。その結果、リン酸ストレス応答を制御する遺伝的ネットワークは、十分なリン酸存在下においても局所的な微生物群集の構成に影響を与えることが明らかになった。この観察から、リン酸ストレス応答の転写調節因子は、植物の防御応答を直接抑制できる機構論理が示された。今回の発見はまた、植物が防御応答より栄養不足に対する応答を優先することを示唆している。
2017年3月23日号の Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
物性物理学:顕微鏡下の振動
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
地球科学:下部マントルの化学的組成
生態学:女王バチの保全
遺伝学:脊椎動物ゲノムにおけるKZFPファミリーの進化
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
発生生物学:生殖幹細胞の生存を調節