Nature ハイライト
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
Nature 543, 7646
HIV感染の治癒を阻む障壁となっているのは、細胞リザーバーでウイルスがしつこく存在し続けることであり、その主要なリザーバーは静止期のCD4 T細胞である。M Benkiraneたちは今回、HIV-1に感染した静止期CD4 T細胞の表面で発現上昇しているタンパク質を特定している。このリザーバーで初めて見つかったマーカーであるこのタンパク質はFcγ受容体CD32aで、通常、リンパ系細胞ではなく自然免疫系のエフェクター細胞で発現する。リザーバー細胞上でのCD32a発現の機能的重要性はまだ分かっていないが、このマーカーが明らかになったことで、静止期CD4 T細胞HIVリザーバーの今後の研究に役立つだろう。
2017年3月23日号の Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
物性物理学:顕微鏡下の振動
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
地球科学:下部マントルの化学的組成
生態学:女王バチの保全
遺伝学:脊椎動物ゲノムにおけるKZFPファミリーの進化
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
発生生物学:生殖幹細胞の生存を調節