Nature ハイライト
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
Nature 543, 7646
化学合成のステップ数を減らす方法の1つは、官能基を結合させなくても特定の炭素に反応が起こるようなC–H活性化を使用することである。しかし、有機分子には多くのC–H結合が存在するので、C–H結合を1つだけ確実に活性化するために、取り外し可能なテンプレートを用いて反応を誘導する手法が開発されてきた。今回J Yuたちは、このアイデアを拡張し、可逆的な金属–配位子結合を介して一時的に結合させた配向テンプレートを用いて、3-フェニルピリジンの遠隔C–H活性化を可能にしている。この方法は、より離れたC–H結合の活性化を実現できることを意味しており、さらに、テンプレートは可逆的に結合させられるため、その結合と除去を別々のステップで行う必要がなく、ステップ数を減らすことができる。
2017年3月23日号の Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
物性物理学:顕微鏡下の振動
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
地球科学:下部マントルの化学的組成
生態学:女王バチの保全
遺伝学:脊椎動物ゲノムにおけるKZFPファミリーの進化
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
発生生物学:生殖幹細胞の生存を調節