Nature ハイライト
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
Nature 543, 7646
核内ゲノムの三次元の編成状態については、顕微鏡法の発達と3C法(chromatin conformation capture;核内で三次元的に近接する領域を検出できる)に基づいた分子技術の開発によって、飛躍的に解明が進んでいる。今回A Pomboたちは、クロマチンの接触状況を調べる新しい手法を開発し、GAM(genome architecture mapping)と命名した。GAMでは、核の凍結薄切片を多数そろえてDNA塩基配列を解読し、3C法とは違ってライゲーションは不要で、偏りのないやり方で接触を捉えることができる。この方法では、3C法を基礎にした手法が持つ限界の一部が克服されており、ゲノム全域にわたって多数の三方向の接触があることが明らかになった。
2017年3月23日号の Nature ハイライト
神経科学:非社会的遺伝子
植物科学:根の微生物相は植物の栄養と免疫を統合する
分子生物学:ゲノムの編成状態のマッピング
物性物理学:顕微鏡下の振動
有機化学:可逆的に結合するテンプレートを用いたC–H活性化
地球科学:下部マントルの化学的組成
生態学:女王バチの保全
遺伝学:脊椎動物ゲノムにおけるKZFPファミリーの進化
ウイルス学:HIV細胞リザーバーのマーカーが初めて明らかに
発生生物学:生殖幹細胞の生存を調節