Nature ハイライト
植物科学:硝酸イオンによる根や地上部へのシグナル伝達
Nature 545, 7654
植物では、栄養関連シグナルが遺伝子発現や代謝、そして究極的には生長に影響を与えるが、これらのシグナルと遺伝子発現とを結び付ける分子的な構成要素の多くはまだ明らかにされていない。今回J Sheenたちは、Ca2+センサープロテインキナーゼ(CPK)が、硝酸イオンに応答して下流の応答を調整するマスター調節因子として機能することを報告している。具体的には、CPKは転写因子のNLP(NIN-like protein)をリン酸化することで、他の転写因子や輸送体、硝酸代謝を調節するタンパク質をコードする遺伝子などを再プログラム化する。こうした経路は硝酸イオンによって誘導される地上部の生長や根系の確立に必須である。
2017年5月18日号の Nature ハイライト
微生物学:グラム陰性細菌における低分子蓄積の規則
心血管疾患:腸のマイクロバイオームは脳での奇形形成を促進する
植物科学:硝酸イオンによる根や地上部へのシグナル伝達
構造生物学:GPCRの選択的結合の仕組みを解読
原子物理学:量子チップ上の相関を定量化する
生物物理学:細胞移動の流れのソースとシンク
地球科学:地震の推進力
神経科学:ゼブラフィッシュの脳地図作成
神経科学:軸索に対するネトリン1の影響を再考する
がん:Notchシグナル伝達は腫瘍の増殖を手助けする