Nature ハイライト

原子物理学:量子チップ上の相関を定量化する

Nature 545, 7654

量子チップ上のルビジウム原子の極低温ガスは、量子多体物理学の十分確立されたアナログ量子シミュレーターである。この系はサイン・ゴルドン模型と呼ばれる場の理論によって記述されると提唱されているが、これを検証するには、高次相関関数の直接測定が必要である。ある系の全ての相関関数を知ることは、その系の特性を明らかにして、基礎となる量子多体問題を解くことができるということである。今回、著者たちは、量子チップ上の極低温ガスにおける高次相関関数を干渉パターンから測定し、実際にサイン・ゴルドン模型によって記述できることを定量的に確認している。今回の方法は、原理的には、多種類の量子系に適用できる可能性があるため、アナログ量子シミュレーターをより定量的に知見が得られるツールに変えるのに役立つと思われる。

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