Nature ハイライト
神経科学:軸索に対するネトリン1の影響を再考する
Nature 545, 7654
20年にわたって、分泌因子ネトリン1は軸索ガイダンスで働き、発生中にこれらの軸索を誘引して、正中線を横切るように方向付けると考えられていた。しかし、この解釈を導いたデータは、この軸索横断過程におけるネトリン1の役割を明らかにする上で、十分に特異的ではなかった可能性がある。今回、A Chédotalたちは、正中線での底板細胞からのネトリン1分泌を特異的に除去し、横断する軸索を誘引するのに必要とされていたネトリン1の勾配を消失させた。ネトリン1を特異的に消失させても軸索ガイダンスは損なわれず、交連軸索は依然として正常に発生した。これらのデータから、ネトリン1は成長円錐の接着を促し、軸索に与える影響はこれまで考えられてきたよりも局所的である可能性が示唆された。
2017年5月18日号の Nature ハイライト
微生物学:グラム陰性細菌における低分子蓄積の規則
心血管疾患:腸のマイクロバイオームは脳での奇形形成を促進する
植物科学:硝酸イオンによる根や地上部へのシグナル伝達
構造生物学:GPCRの選択的結合の仕組みを解読
原子物理学:量子チップ上の相関を定量化する
生物物理学:細胞移動の流れのソースとシンク
地球科学:地震の推進力
神経科学:ゼブラフィッシュの脳地図作成
神経科学:軸索に対するネトリン1の影響を再考する
がん:Notchシグナル伝達は腫瘍の増殖を手助けする