Nature ハイライト
構造生物学:GPCRの選択的結合の仕組みを解読
Nature 545, 7654
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、細胞質にあるGタンパク質と選択的に結合することにより、細胞外からの刺激に対する適切な応答を引き起こす。この選択的結合の分子基盤の解明は、難題であった。M Babuたちは今回、ヒトのGPCR–Gタンパク質が関わるシグナル伝達系全体について解析を行い、選択性決定因子となるアミノ酸の位置とパターンを明らかにしている。16のGαタンパク質のそれぞれに存在する選択性の「バーコード」は、受容体の進化の道筋を考慮することにより突き止められた。このバーコードが、およそ800の受容体上のさまざまな領域によって認識される。著者たちは、研究者が任意の受容体とGタンパク質について選択性決定残基を解析できるように、インタラクティブなプラットホームをオンラインで提供している。
2017年5月18日号の Nature ハイライト
微生物学:グラム陰性細菌における低分子蓄積の規則
心血管疾患:腸のマイクロバイオームは脳での奇形形成を促進する
植物科学:硝酸イオンによる根や地上部へのシグナル伝達
構造生物学:GPCRの選択的結合の仕組みを解読
原子物理学:量子チップ上の相関を定量化する
生物物理学:細胞移動の流れのソースとシンク
地球科学:地震の推進力
神経科学:ゼブラフィッシュの脳地図作成
神経科学:軸索に対するネトリン1の影響を再考する
がん:Notchシグナル伝達は腫瘍の増殖を手助けする