Nature ハイライト
物性物理学:相転移材料は次の局面へ
Nature 546, 7656
イオン種の電気的な挿入と脱離に応答して相転移する材料は、動作できる気候の範囲が広い電池や、通過する光や熱の量を制御できるスマートウインドウなど、さまざまな用途に利用されている。N Luたちが今回報告しているように、移動可能なイオン種の数を増やすことによって、材料系の機能性が大幅に向上する可能性がある。具体的には、酸素イオン(O2−)と水素イオン(H+)の電気的な挿入と脱離を独立に制御することで、光学的、電気的、磁気的特性が全く異なる3つの材料相を可逆的に転移させられる材料系が報告されている。今回の知見によって、相転移材料の応用の幅がさらに広がる可能性がある。
2017年6月1日号の Nature ハイライト
神経科学:頭の向きを変えるニューロン
構造生物学:低温電子顕微鏡法により解かれたGPCRの構造
物性物理学:相転移材料は次の局面へ
原子物理学:高強度X線に対する超高速分子応答
大気科学:変化する気候における大気中のオキシダントの存在量
地球科学:地震発生帯の熱水圧力
微生物学:LamAが抗生物質耐性に果たす役割
細胞画像化:細胞小器官の相互作用をマッピング