Nature ハイライト
細胞画像化:細胞小器官の相互作用をマッピング
Nature 546, 7656
細胞のさまざまな構成要素である細胞小器官は、輸送小胞を介さない接触を行っており、その結果物理的挙動や生化学的組成、機能が変化する。画像化は細胞小器官間の接触部位を研究するための強力な手段であるが、今回のJ Lippincott-Schwartzたちの研究は、これらの解析を新たなレベルへと発展させた。彼らは共焦点格子光シート顕微鏡法、およびマルチスペクトル画像取得と解析法を用い、生細胞で細胞小器官インタラクトームの系レベルでの解析を行った。この手法により、6種類の異なる細胞小器官(小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ペルオキシソーム、ミトコンドリア、脂肪滴)間での、最大で5者間の相互作用について、その頻度と場所を可視化することができ、これらの相互作用の動態について予想外の手掛かりを得た。この方法は、細胞内での小胞を介さないコミュニケーションのさらなる解析に有用な手段となるだろう。
2017年6月1日号の Nature ハイライト
神経科学:頭の向きを変えるニューロン
構造生物学:低温電子顕微鏡法により解かれたGPCRの構造
物性物理学:相転移材料は次の局面へ
原子物理学:高強度X線に対する超高速分子応答
大気科学:変化する気候における大気中のオキシダントの存在量
地球科学:地震発生帯の熱水圧力
微生物学:LamAが抗生物質耐性に果たす役割
細胞画像化:細胞小器官の相互作用をマッピング