Nature ハイライト
神経科学:大脳皮質の配線に見られる時空間的序列
Nature 549, 7673
特異的なニューロン結合性は、大脳皮質による演算に不可欠と考えられているが、電気生理学的測定では、ごく一部の様相しか明らかになっていない。今回M Helmstaedterたちは、空間ナビゲーションに関与するグリッド細胞を含むラット内側嗅内皮質から、大規模三次元電子顕微鏡データセットを得た。この網羅的コネクトミクスマッピングから、興奮性ニューロンより前に介在ニューロンが標的とされること、樹状突起上のシナプスクラスター形成、および差次的な伝導速度といった、軸索投射の高度な特異性が明らかになった。これらの特性によって、皮質回路はニューロン発火において精緻な時空間的制御ができるようになると思われる。
2017年9月28日号の Nature ハイライト
神経科学:大脳皮質の配線に見られる時空間的序列
免疫学:行動異常の背景となる脳の小領域
天文学:ブラックホールの周りがすっかりきれいなことが多い理由
物性物理学:これまでで最高のスピン分裂
化学:自然界に備わる道具箱に加わった付加環化
進化学:地球誕生の時期に迫る最古の生命の証拠
遺伝学:親の年齢が新しい変異に影響を及ぼす
神経科学:アルツハイマー病のリスク因子がタウ病変を増悪させる
がん:脳腫瘍への道を阻むもの
がん遺伝学:胚のDNAメチル化プロファイルとがんとのつながり