Nature ハイライト
進化学:地球誕生の時期に迫る最古の生命の証拠
Nature 549, 7673
地球上の有機生命体の起源は、既知で最古の堆積岩に見いだされた証拠によって、年代がさかのぼりつつある。小宮剛(東京大学)たちは今回、カナダ・ラブラドルの堆積岩に有機炭素が存在し、グラファイトと炭酸塩の安定同位体比の間に大きな分別が見られることから、有機生命体の存在した年代が39億5000万年以上前までさかのぼると主張している。最近の研究では、日光が届く浅瀬に生息するストロマトライトや、深海の熱水噴出孔に生息する細菌など、約37億年前にはすでに多種多様な生物が存在していたことを裏付ける証拠が示されており、今回の研究はこれらの結果と合わせて、生命にはそのすみかである地球に匹敵するほど長い歴史があることを示している。
2017年9月28日号の Nature ハイライト
神経科学:大脳皮質の配線に見られる時空間的序列
免疫学:行動異常の背景となる脳の小領域
天文学:ブラックホールの周りがすっかりきれいなことが多い理由
物性物理学:これまでで最高のスピン分裂
化学:自然界に備わる道具箱に加わった付加環化
進化学:地球誕生の時期に迫る最古の生命の証拠
遺伝学:親の年齢が新しい変異に影響を及ぼす
神経科学:アルツハイマー病のリスク因子がタウ病変を増悪させる
がん:脳腫瘍への道を阻むもの
がん遺伝学:胚のDNAメチル化プロファイルとがんとのつながり