Nature ハイライト
物性物理学:これまでで最高のスピン分裂
Nature 549, 7673
ラシュバ効果は、二次元凝縮物質の多くの現象において基本的であり、多くのスピントロニクス応用の基礎である。反転対称性の破れを伴うスピン–軌道相互作用はラシュバ効果の要因であり、固体において運動量に依存するスピン分裂をもたらす。従来、特に大きなラシュバスピン分裂を有する物質は、強いスピン–軌道効果を持つ元素を用いて設計されてきた。今回、表面ホッピングエネルギーの非対称性を利用する別の方法が報告されている。この方法によって、記録を塗り替えるラシュバ型スピン分裂を伴うデラフォサイト酸化物が得られた。今回の研究は、より優れたスピントロニクス材料への新しい道を示している。
2017年9月28日号の Nature ハイライト
神経科学:大脳皮質の配線に見られる時空間的序列
免疫学:行動異常の背景となる脳の小領域
天文学:ブラックホールの周りがすっかりきれいなことが多い理由
物性物理学:これまでで最高のスピン分裂
化学:自然界に備わる道具箱に加わった付加環化
進化学:地球誕生の時期に迫る最古の生命の証拠
遺伝学:親の年齢が新しい変異に影響を及ぼす
神経科学:アルツハイマー病のリスク因子がタウ病変を増悪させる
がん:脳腫瘍への道を阻むもの
がん遺伝学:胚のDNAメチル化プロファイルとがんとのつながり