Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
Nature 551, 7681
ハラミヤ類は恐竜の時代に生息していた哺乳類の1群で、現代のモモンガやムササビによく似た滑空の習性があったと考えられている。こうした滑空するハラミヤ類については、近年2つの新種が記載されており、今回のJ Mengたちによる新種の報告はそれに続くものである。今回記載された種は、1億6400万~1億5900万年前のジュラ紀に中国に生息していたもので、滑空への適応の他にも多くの興味深い特徴が認められた。例えば、その中耳は、哺乳類中耳の進化の興味深い中間点を示している。現代の哺乳類中耳は、鐙骨、槌骨および砧骨の3つの耳小骨によって形成されているが、この滑空性ハラミヤ類の中耳では、さらに下顎の上角骨と頭蓋の外鼓骨が加わり、これまで知られていなかった5小骨系を形成していたと見られる。
2017年11月23日号の Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
微生物学:地球上の微生物多様性
遺伝子工学:一塩基編集技術の進展
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
有機化学:触媒が全てを担う
地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
がん免疫療法:免疫療法に対する腫瘍応答を予測する