Nature ハイライト
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
Nature 551, 7681
銀河団は高温ガスに取り巻かれており、そのガス中の元素存在度は、そうした銀河団の一生にわたってその中の銀河で発生した全ての超新星の累積的な影響の結果である。最近の研究では、銀河団の元素存在量が太陽のものとは異なることが見いだされており、銀河団と天の川銀河の超新星は別の歴史をたどったと示唆されている。しかし、観測機器の限界により、これらの観測は困難であった。今回、ひとみコラボレーションの山口弘悦(米国航空宇宙局ほか)たちは、ペルセウス座銀河団を非常に高いスペクトル分解能で観測し、その鉄ピーク元素の存在比が太陽のものに近いことを明らかにしている。彼らは、チャンドラセカール質量に近いおよびそれ以下の白色矮星が混在しており、これらがIa型超新星爆発を通してこうした元素に寄与したと結論している。
2017年11月23日号の Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
微生物学:地球上の微生物多様性
遺伝子工学:一塩基編集技術の進展
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
有機化学:触媒が全てを担う
地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
がん免疫療法:免疫療法に対する腫瘍応答を予測する