Nature ハイライト
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
Nature 551, 7681
膵臓がんの患者で5年以上生存するのは数パーセントにすぎないが、この相対的な長生きの理由は定かではない。今回の後向き解析において、V Balachandranたちは、ヒトの膵臓がんにおける長期生存の免疫機構を評価した。この解析は、生存が細胞溶解性T細胞の浸潤とポリクローナルT細胞応答の増加を伴う高度の変異負荷と相関し、そして腫瘍抗原MUC16遺伝子座の変異が長期生存者に豊富に見られることを明らかにしている。さらに、ネオアンチゲンと微生物間の交叉反応性の予測値が高い患者が、最も長く生存する傾向にあった。著者たちは、ネオアンチゲンの量よりも、むしろ質が生存を決定するという証拠を提示している。
2017年11月23日号の Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
微生物学:地球上の微生物多様性
遺伝子工学:一塩基編集技術の進展
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
有機化学:触媒が全てを担う
地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
がん免疫療法:免疫療法に対する腫瘍応答を予測する