Nature ハイライト
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
Nature 551, 7681
リボソームの2個のサブユニットはそれぞれ、1個の大きなRNA分子に係留されている。これらのリボソームRNA(rRNA)のヌクレオチドの多くは、転写後に修飾を受ける。この修飾に変異が生じると多くの疾患の原因になることから、この修飾の重要性は明らかである。B Klaholzたちは今回、ヒトリボソームの構造を非常に高い分解能で決定し、それにより、これまで知られていなかった修飾も含めて130を超えるrRNA修飾の位置を決定した。原核生物のリボソームの修飾位置との比較によって、真核生物では原核生物よりも修飾の数が多く、それがより大きなリボソーム複合体の安定化を可能としていることが分かった。これらのデータは疾患の機序についての理解を広げ、新たな治療戦略に結び付くと考えられる。
2017年11月23日号の Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
微生物学:地球上の微生物多様性
遺伝子工学:一塩基編集技術の進展
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
有機化学:触媒が全てを担う
地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
がん免疫療法:免疫療法に対する腫瘍応答を予測する