Nature ハイライト
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
Nature 551, 7681
雷雲では、相対論的電子によってエネルギーが非常に高いγ線が放出され、理論的にはこうしたγ線の大気中の原子や分子との相互作用によって、放射性同位体、中性子、陽電子などが生成される可能性がある。最近、中性子や陽電子が観測されたとする弱い証拠がいくつか報告された。今回、榎戸輝揚(京都大学)たちは、2017年2月6日に日本の沿岸域で雷雨を観測し、γ線フラッシュに伴って、電子–陽電子対消滅の明確な特徴と、中性子捕獲により励起した核の脱励起によって生じたγ線が見られたことを報告している。著者たちは、雷の後、放射性同位体のβ+崩壊によって陽電子が生成されたと結論している。
2017年11月23日号の Nature ハイライト
古生物学:耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類
微生物学:地球上の微生物多様性
遺伝子工学:一塩基編集技術の進展
構造生物学:80Sリボソームの修飾をマッピング
天文学:ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量
大気化学:雷雨の中で放射性同位体が生成される
有機化学:触媒が全てを担う
地球科学:深部マントルの低速度領域を鉄で解決する
がん免疫療法:量より質のネオアンチゲン
がん免疫療法:免疫療法に対する腫瘍応答を予測する