Nature ハイライト
地球科学:岩石の再循環を明らかにしたダイヤモンド内部の物質
Nature 555, 7695
地球の遷移層と下部マントルの内部では、ケイ酸カルシウム(CaSiO3)の高圧ペロブスカイト構造多形体が、カルシウムだけでなく、発熱元素であるカリウム、ウラン、トリウムの主要な母岩と考えられている。地球で4番目に多い鉱物であると考えられているにもかかわらず、この鉱物は自然界ではこれまで見つかっていなかった。今回F Nestolaたちは、南アフリカのカリナン鉱山で産出したキンバーライトから得られたダイヤモンドの内部にCaSiO3のペロブスカイト構造多形体が含まれていたことについて報告している。著者たちは、ダイヤモンド内部の物質のバルク組成は、下部マントル最上部の深さに相当する圧力まで沈み込んだ玄武岩質海洋地殻由来であることと矛盾せず、海洋地殻と炭素が地表から下部マントルの深さへ再循環していることを示すさらなる証拠であると結論している。
2018年3月8日号の Nature ハイライト
材料科学:半導体と超伝導体をうまく組み合わせる
遺伝学:ゲノム解析から得られたビーカー文化の手掛かり
神経科学:渇きを知る
ナノスケール材料:分子と2D結晶の積層
地球科学:岩石の再循環を明らかにしたダイヤモンド内部の物質
人間行動学:協力の複雑さ
進化学:鳥類の種の豊富さで見る、山岳地帯の生物多様性
分子生物学:ガのpiRNA生合成経路はハエよりも単純
構造生物学:ドーパミンの珍しい結合様式