Nature ハイライト

Cover Story:生き抜く術:血糖値が高くても糖尿病にならずに成長するメキシコの洞窟魚

Nature 555, 7698

メキシカンテトラ(<i>Astyanax mexicanus</i>)の洞窟型個体。
メキシカンテトラ(Astyanax mexicanus)の洞窟型個体。 | 拡大する

Credit: Zachary Zakibe

メキシカンテトラ(Astyanax mexicanus)の盲目の洞窟型個体が生息する暗い洞窟は、食物の極めて少ない極端な環境である。今回N RohnerとC Tabinたちは、この魚は、食物量が大きく変動する生活をする中で、驚くべき方法でこの極端な環境に適応したことを明らかにしている。この洞窟魚は、ヒトであれば重度の2型糖尿病を引き起こすと思われるインスリン受容体変異を持っているが、その結果生じる高い血糖値は悪影響を全く生じさせていないようであり、この魚は健康で寿命は正常である。著者たちは、この魚は、血糖の調節における代償機構を進化させたことで、困難な環境を生き抜くことができるのではないかと推測している。

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