Nature ハイライト
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
Nature 555, 7698
抗生物質ではない治療薬の一部が腸内マイクロバイオーム組成の変化と関連することは、最近明らかになったが、この現象が起こっている範囲については分かっていない。今回A Typasたちは1000種以上の市販薬についてスクリーニングを行い、そのほぼ4分の1がin vitroで少なくとも1つの細菌株の増殖を阻害することを見いだした。さらに、これまでにヒトコホートで行われた研究を詳しく調べたところ、ヒトを標的とする薬剤で抗共生細菌活性を持つものは、ヒトで抗生物質に似た副作用を引き起こすことが分かった。新たに得られたこの知見は、これからの薬物治療研究の基盤情報となるだろう。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
量子物理学:シリコンにおける強い結合
化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
遺伝学:発達障害の調節性変異
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
天文学:問題の物質はどこにある?
量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす