Nature ハイライト
天文学:問題の物質はどこにある?
Nature 555, 7698
調べられている銀河の大半は、観測される性質を説明するのにそれらに付随する暗黒物質の成分が必要である。通常、暗黒物質は通常の物質よりもはるかに多く存在し、天の川銀河程度の質量の銀河では平均で30倍である。矮銀河では、通常の物質に対する暗黒物質の比はさらに高い(400倍以上)と考えられている。今回P van Dokkumたちは、超淡銀河(ultra-diffuse galaxy)NGC1052–DF2の力学的質量を、球状星団状の天体の運動から決定し、これが星の担っている質量と基本的に同じであることを報告している。これは、この銀河には暗黒物質成分が存在していないということである。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
量子物理学:シリコンにおける強い結合
化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
遺伝学:発達障害の調節性変異
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
天文学:問題の物質はどこにある?
量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす