Nature ハイライト
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
Nature 555, 7698
火星の北部平原の周りに古代の海岸線の可能性がある地形が見られることは、太古の火星に海洋が存在したことを示している。しかし、このような特徴は、等ポテンシャル面に沿っておらず、海洋の起源に疑問を投げ掛けている。この海岸線の高度変化は、火星の重力と地形に大きな影響を及ぼしている火山地域であるタルシス地域が形成された後に真の極移動が起こったことで説明できる。これにはタルシス地域が赤道から遠い所で形成されたことが必要と思われるが、その可能性は低いと考えられる。R Citronたちは今回、海岸線がタルシス地域の貫入前と貫入時に形成されたとすれば、海岸線の地形変化を説明できることを示しており、火星の初期に海洋が形成され、タルシス火山活動の開始と衰退に関連していた可能性が示唆された。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
量子物理学:シリコンにおける強い結合
化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
遺伝学:発達障害の調節性変異
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
天文学:問題の物質はどこにある?
量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす