Nature ハイライト
遺伝学:発達障害の調節性変異
Nature 555, 7698
M Hurlesたちは今回、Deciphering Developmental Disorders(DDD)プロジェクトの一環として、調節エレメント(遺伝子発現を調節するDNA区画)のまれなde novo変異(DNM)の発達障害への寄与について調べている。彼らは、診断未確定の重度の発達障害患者7930人について、調節エレメントと推定される3つのクラスのエレメントに的を絞った塩基配列データを解析した。その結果、胎児脳で活性な進化的に高度に保存されたエレメントにDNMの増加が見いだされた。著者たちは以前、重度の発達障害患者の42%が、コード配列内に病原性のDNMを持つことを推定しており、今回の研究では新たに、残りの患者の1~3%が胎児脳で活性な調節エレメントに病原性DNMを持つと推定された。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
量子物理学:シリコンにおける強い結合
化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
遺伝学:発達障害の調節性変異
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
天文学:問題の物質はどこにある?
量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす