Nature ハイライト
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす
Nature 555, 7698
肝臓の分泌性因子が筋肉のインスリン抵抗性を引き起こし、膵臓β細胞のインスリン分泌能を低下させることは、これまでの研究で明らかになっている。しかし、肥満で見られる脂肪組織の病的状態の促進にヘパトカインがどのような役割を果たすのかは、十分に解明されていない。今回I Tabasたちは、肥満が肝細胞でのジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)の合成と分泌を促進し、DPP4は血漿中の第Xa因子と共に働いて内臓脂肪組織マクロファージを刺激することを明らかにしている。肝細胞のDPP4発現を抑制すると、肥満マウスで代謝が改善されることから、DPP4がインスリン抵抗性や肥満に伴う全身性代謝疾患に関与している可能性がある。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
量子物理学:シリコンにおける強い結合
化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
遺伝学:発達障害の調節性変異
微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
天文学:問題の物質はどこにある?
量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
惑星科学:火星の海洋の年代を定める
感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす