Nature ハイライト
材料科学:マルチ燃料型セラミック燃料電池の未来
Nature 557, 7704
燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する。水素は最も一般的な燃料であり、現在市場に出ている燃料電池車は全て水素を動力源として用いている。プロトンセラミック燃料電池(PCFC)は、より一般的な固体酸化物燃料電池よりも低い温度で動作するが、長期耐久性がまだ確認されていない。今回R O’Hayreたちは、炭化水素やアルコールなどの11種類の燃料でPCFCを直接動作させる試験を数千時間にわたって行い、PCFCデバイスの構成や構造を変える必要がなかったことを報告している。この試験には、通常は燃料電池にとって有害な硫化水素を含む燃料を供給した際の動作が含まれる。今回のPCFCの耐久性は、アノードの耐コーキング性と耐硫黄性に由来する。実施された耐久性試験が市場導入や技術目標に必要な時間スケールに近いことから、今回のPCFCが商業化を実現できる対象となる可能性があることが示唆される。
2018年5月10日号の Nature ハイライト
神経科学:パーキンソン病モデルを再評価する
神経科学:怯えたマウスを逃げ出させる脳回路
構造生物学:反応中のヒトテロメラーゼの構造
宇宙物理学:磁気再結合の決定的証拠
素粒子物理学:厳しい制約を与える弱荷
材料科学:マルチ燃料型セラミック燃料電池の未来
進化学:フィリピンにおけるヒト族の最古の証拠
幹細胞:分化転換による胆管系の構築
微生物学:Spaidはショウジョウバエの雄を殺す
構造生物学:ニコチン性受容体の集合状態