Nature ハイライト
微生物学:Spaidはショウジョウバエの雄を殺す
Nature 557, 7704
昆虫の共生細菌の中には、感染を広げるために宿主の生殖を操作するものがある。スピロプラズマ属細菌Spiroplasma poulsoniiはショウジョウバエ(Drosophila)の共生細菌で運動性を持ち、感染した雌の子のうち、雄だけを発生中に殺すが、その仕組みは不明であった。今回、春本敏之とB Lemaitre(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)は、この細菌から雄殺しに関わるタンパク質を突き止めてSpaidと名付け、これが細胞死と神経の異常を誘発することを明らかにしている。また、このタンパク質が、性決定に関わる遺伝子量補償複合体を標的とすることも示している。
2018年5月10日号の Nature ハイライト
神経科学:パーキンソン病モデルを再評価する
神経科学:怯えたマウスを逃げ出させる脳回路
構造生物学:反応中のヒトテロメラーゼの構造
宇宙物理学:磁気再結合の決定的証拠
素粒子物理学:厳しい制約を与える弱荷
材料科学:マルチ燃料型セラミック燃料電池の未来
進化学:フィリピンにおけるヒト族の最古の証拠
幹細胞:分化転換による胆管系の構築
微生物学:Spaidはショウジョウバエの雄を殺す
構造生物学:ニコチン性受容体の集合状態