Nature ハイライト
微生物群集:永久凍土由来の微生物ゲノムの復元
Nature 560, 7716
地球温暖化によって、永久凍土の地表近くに隔離されている大量の炭素が、微生物による分解に使われるようになりつつある。しかし、泥炭地の生態系に含まれる微生物群集の組成はほとんど分かっていないため、永久凍土融解の結果を予測することは難しい。今回B Woodcroftたちはメタゲノムのアセンブリーによって復元した1529個の微生物ゲノムについて詳細な解析を行い、多糖から強力な温室効果ガスであるメタンまでの嫌気性炭素代謝を群集全体で行った場合に予想される能力について考察している。今回の研究は特定の微生物系統と地球気候モデルの間のつながりを解明したもので、これによって気候変動がこのような系に及ぼす影響を予測することができる。
2018年8月2日号の Nature ハイライト
微生物群集:永久凍土由来の微生物ゲノムの復元
医学研究:白血病細胞による神経の移動経路の乗っ取り
音響学:反射を伴わない負の屈折
有機化学:脂肪族C–H結合の官能基化
炭素循環:土壌炭素の大気への放出量が1990年以降増大している
気候変動生態学:サンゴの白化事象の群集規模の帰結
代謝学:コハク酸は褐色脂肪組織に入り、代謝疾患で熱産生を高める
自己免疫:自己免疫におけるインスリンペプチドの働き
分子生物学:細胞のDNA修復における二本鎖切断の削り込み
構造生物学:PTCH1の構造