Nature ハイライト
有機化学:脂肪族C–H結合の官能基化
Nature 560, 7716
直接C–H官能基化は、有機分子中の最も一般的な結合を置換可能にするため、有機合成における強力な方法となっている。近年、特に単電子移動過程によってこの分野に著しい進歩が見られたが、最も強く通常は不活性な脂肪族C–H結合の官能基化は、まだ困難である。今回D MacMillanたちは、ポリオキソメタレートに由来する水素原子移動触媒をニッケル触媒作用と併用して、この強いC(sp3)–H結合をアリール求電子剤とカップリングしたことを報告している。この反応では、特に環状アルキル鎖や直鎖アルキル鎖から炭素中心ラジカルが形成された後、クロスカップリング生成物が得られる。今回の研究では、非オピオイド鎮痛剤エピバチジンや一般的な天然物の後期段階の官能基化と誘導体化が実証されている。
2018年8月2日号の Nature ハイライト
微生物群集:永久凍土由来の微生物ゲノムの復元
医学研究:白血病細胞による神経の移動経路の乗っ取り
音響学:反射を伴わない負の屈折
有機化学:脂肪族C–H結合の官能基化
炭素循環:土壌炭素の大気への放出量が1990年以降増大している
気候変動生態学:サンゴの白化事象の群集規模の帰結
代謝学:コハク酸は褐色脂肪組織に入り、代謝疾患で熱産生を高める
自己免疫:自己免疫におけるインスリンペプチドの働き
分子生物学:細胞のDNA修復における二本鎖切断の削り込み
構造生物学:PTCH1の構造