Nature ハイライト
量子物理学:宇宙空間での精密干渉法に向けて
Nature 562, 7727
ボース・アインシュタイン凝縮体は、原子気体が絶対零度に近い温度まで冷却されると生じ得る、物質の量子状態である。そうした量子状態は、その特性から、非常に小さい慣性力の検出に最適であるため、重力に起因する加速度の測定に用いることができる。今回M Lachmannたちは、宇宙空間でボース・アインシュタイン凝縮体を初めて生成した。彼らは、観測ロケットが打ち上げられてから6分間宇宙飛行する間に100以上の実験を行うことによって、宇宙空間での低温原子実験の実施に関するさまざまな知見を得ている。そうした知見を利用すれば、宇宙空間で稼働する重力波検出器の開発が可能になるかもしれない。
2018年10月18日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:見つからなかった双極子モーメント
遺伝学:マウスの遺伝子発現アトラス
がん遺伝学:MPALの2つの主要なサブタイプは遺伝学的に異なっている
生物工学:トランスクリプトームの進化を監視する
量子物理学:宇宙空間での精密干渉法に向けて
物性物理学:ディラックフェルミオンの加速を画像化する
生物物理学:タンポポの飛行
神経科学:頸髄介在ニューロンは外傷後の呼吸を回復させる
がん:マウス基底細胞がんの抵抗性機構
がん:基底細胞がんの再発機構を解明
細胞進化学:Asgard上門アーキアでは機能性プロフィリンがアクチン細胞骨格を調節する