Nature ハイライト

がん:マウス基底細胞がんの抵抗性機構

Nature 562, 7727

基底細胞がんの治療には、腫瘍の増殖の駆動因子となるヘッジホッグシグナル伝達系を標的とするSmoothened阻害剤が使われることが多い。今回、著者たちはマウスモデルを用いて、Smoothened阻害剤であるビスモデギブを投与した基底細胞がん細胞の運命を追跡し、治療に抵抗性を示す静止状態の細胞群があって、これが腫瘍を再増殖させることを明らかにしている。これらの抵抗性細胞では、Wntシグナル伝達の活性化によって細胞アイデンティティーの転換が引き起こされるため、ビスモデギブ投与とWntの不活性化とを組み合わせることによって、基底細胞がん細胞の分化を促進できる。

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