Nature ハイライト
細胞進化学:Asgard上門アーキアでは機能性プロフィリンがアクチン細胞骨格を調節する
Nature 562, 7727
R RobinsonとC Akılは今回、Asgard上門アーキアに属するメンバーにコードされている真核細胞類似のタンパク質について、構造と機能を初めて解析したことを報告している。ロキ門の3つのプロフィリンに加え、トール門、ヘイムダル門、オーディン門のそれぞれ1つのプロフィリンについて、高品質な構造が解かれた。ロキ門のプロフィリンは、哺乳類アクチンと相互作用し、リン脂質依存的にGアクチンを隔離することが可能で、アクチンフィラメントの反矢尻端の伸長を促進できる。アーキアが持つ真核細胞様遺伝子の産物についてはほとんど分かっておらず、今回の研究はこのようなタンパク質が真核生物のタンパク質と同じような挙動をするのかどうかの検証に向けた重要な一歩である。これらの結果は、アーキアと真核生物の最終共通祖先の細胞生物学的性質や本来の姿の推定に明らかに関係しており、また、これによってAsgard上門アーキアに備わった真核生物様の特徴の1つに関する待望の機能データがもたらされた。
2018年10月18日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:見つからなかった双極子モーメント
遺伝学:マウスの遺伝子発現アトラス
がん遺伝学:MPALの2つの主要なサブタイプは遺伝学的に異なっている
生物工学:トランスクリプトームの進化を監視する
量子物理学:宇宙空間での精密干渉法に向けて
物性物理学:ディラックフェルミオンの加速を画像化する
生物物理学:タンポポの飛行
神経科学:頸髄介在ニューロンは外傷後の呼吸を回復させる
がん:マウス基底細胞がんの抵抗性機構
がん:基底細胞がんの再発機構を解明
細胞進化学:Asgard上門アーキアでは機能性プロフィリンがアクチン細胞骨格を調節する