Nature ハイライト
がん:基底細胞がんの再発機構を解明
Nature 562, 7727
基底細胞がんはSmoothened阻害剤で治療することができるが、再発も多い。著者たちは今回、Smoothened阻害剤ビスモデギブが、基底細胞がん細胞の分化を促進することによって腫瘍を退縮させることを明らかにしている。彼らはまた、静止期にある細胞の小集団はビスモデギブの影響を受けず、再発の原因となることも示した。これらの細胞ではLGR5の発現が見られ、Wntシグナル伝達が活発であることから、この2つの治療標的候補とSmoothened阻害剤を組み合わせることで基底細胞がんを根絶できる可能性がある。固形腫瘍で分化を促進することによる治療効果が見つかり、非遺伝的な抵抗性を引き起こす細胞集団が明らかになったことで、がんの治療法の可能性が広がるかもしれない。
2018年10月18日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:見つからなかった双極子モーメント
遺伝学:マウスの遺伝子発現アトラス
がん遺伝学:MPALの2つの主要なサブタイプは遺伝学的に異なっている
生物工学:トランスクリプトームの進化を監視する
量子物理学:宇宙空間での精密干渉法に向けて
物性物理学:ディラックフェルミオンの加速を画像化する
生物物理学:タンポポの飛行
神経科学:頸髄介在ニューロンは外傷後の呼吸を回復させる
がん:マウス基底細胞がんの抵抗性機構
がん:基底細胞がんの再発機構を解明
細胞進化学:Asgard上門アーキアでは機能性プロフィリンがアクチン細胞骨格を調節する