Nature ハイライト
がん:エンハンサーの乗っ取りを介した腫瘍発生
Nature 511, 7510
髄芽腫は非常に悪性度の高い小児脳腫瘍である。今回、この腫瘍の小児症例の大半を占めるが、解明が進んでいない2つのサブタイプ、グループ3とグループ4に注目した研究が行われ、この2つのサブタイプだけで広く見られるゲノム構造変異体が見つかった。この変異によってがん原遺伝子GFI1とGFI1Bのコーディング領域と、活性化されたエンハンサー配列が集められてがん遺伝子の活性化が起こる。この研究は、「エンハンサーの乗っ取り(enhancer hijacking)」が、小児がんでがん遺伝子活性化を引き起こす効率のよい機構であることを明らかにしている。
2014年7月24日号の Nature ハイライト
精神医学:統合失調症の遺伝学
がん:エンハンサーの乗っ取りを介した腫瘍発生
構造生物学:向きが変わるとRNAの運命も変わる
量子物理学:高速のエラー訂正
物性物理学:トポロジカル絶縁体で磁性体を制御
生物地球化学:永久凍土湖の炭素収支
神経科学:皮質ニューロン分化の制御
構造生物学:鳥インフルエンザウイルスH10の特徴
遺伝学:Mycによる選択的な遺伝子調節