Nature ハイライト

がん:エンハンサーの乗っ取りを介した腫瘍発生

Nature 511, 7510

髄芽腫は非常に悪性度の高い小児脳腫瘍である。今回、この腫瘍の小児症例の大半を占めるが、解明が進んでいない2つのサブタイプ、グループ3とグループ4に注目した研究が行われ、この2つのサブタイプだけで広く見られるゲノム構造変異体が見つかった。この変異によってがん原遺伝子GFI1GFI1Bのコーディング領域と、活性化されたエンハンサー配列が集められてがん遺伝子の活性化が起こる。この研究は、「エンハンサーの乗っ取り(enhancer hijacking)」が、小児がんでがん遺伝子活性化を引き起こす効率のよい機構であることを明らかにしている。

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