Nature ハイライト
量子物理学:高速のエラー訂正
Nature 511, 7510
量子コンピューターを実際に動作させるには、エラー訂正プロトコルを組み込む必要がある。これには、量子状態を乱さない量子状態の監視が含まれ、通常は付け加えたキュービットとの量子もつれを通して行われる。L Sunたちは、マイクロ波共振器での超伝導キュービットの個々の量子跳躍を追跡できることを示している。測定結果は、「補助」キュービットにパリティ情報(この系に存在するマイクロ波光子の数は奇数と偶数のどちらなのか)として射影される。この手続きでは、キュービット状態との干渉は最小限になる。このパリティ情報を使って、効率のよいエラー訂正ができる。今回の方法は、エラーシンドロームを高速で繰り返して監視するという未解決の問題に取り組むものであり、超伝導回路によるフォールトトレラントな量子計算への道が開かれる。
2014年7月24日号の Nature ハイライト
精神医学:統合失調症の遺伝学
がん:エンハンサーの乗っ取りを介した腫瘍発生
構造生物学:向きが変わるとRNAの運命も変わる
量子物理学:高速のエラー訂正
物性物理学:トポロジカル絶縁体で磁性体を制御
生物地球化学:永久凍土湖の炭素収支
神経科学:皮質ニューロン分化の制御
構造生物学:鳥インフルエンザウイルスH10の特徴
遺伝学:Mycによる選択的な遺伝子調節