Nature ハイライト

遺伝学:Mycによる選択的な遺伝子調節

Nature 511, 7510

哺乳類のMycがんタンパク質は転写因子で、数千個のプロモーターに結合する。現在、Mycの機能については、転写の遺伝子特異的調節因子であるとするモデルと、全ての活性化遺伝子の全体的な増幅因子であるとするモデルが提案されている。今回、2つのグループが、Mycは特定の遺伝子を調節するという考えを裏付ける証拠を報告した。A Sabòたちは、マウスのB細胞リンパ腫形成過程でのMycのゲノム内分布とRNA発現プロファイルを解析し、S Walzたちは、正常細胞とMycが形質転換させた腫瘍細胞を比較した。2つのグループは共に、Mycの過剰発現が遺伝子発現の全体的な増加を引き起こし得ることを明らかにしたが、その作用は間接的である。Mycは、他のさまざまな転写因子による調節を受け、主に特定の遺伝子群を調節することにより機能を果たしているようだ。

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