Nature ハイライト

構造生物学:向きが変わるとRNAの運命も変わる

Nature 511, 7510

エキソソーム複合体にはRrp6とRrp44という2種類の触媒サブユニットが含まれ、Rrp6は離散的に、Rrp44は前進的にRNAを分解する。これまでの構造研究によって、RNAがRrp44へと誘導される仕組みは明らかにされていたが、Rrp6への誘導経路は分かっていなかった。C Limaたちは、10個のサブユニットからなる酵母のエキソソーム複合体(Rrp44を含まない)について一本鎖RNAに結合した状態の結晶構造を解明し、Rrp6の触媒ドメインとRNAの3′末端の位置を決定した。しかし、もっと重要なのは、RNAの向きが、Rrp44を含むエキソソームの構造で見られたのとは逆になっていると分かったことである。この結果は、RNAが複合体にどのように結合するかによって、RNAの運命が確率論的に決まる可能性を示唆している。

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