Nature ハイライト
医学研究:嚢胞性繊維症におけるイオン分泌と気道防御の回復
Nature 567, 7748
嚢胞性繊維症(CF)は、トランスポーターである嚢胞性繊維症膜貫通調節タンパク質(CFTR)の機能喪欠変異が原因で起こり、これによって気道の機能や呼吸器系の宿主防御が減弱する。これまで、CFTR機能の回復を目指して特定の変異を標的にする戦略が考案されてきたが、M Burkeたちは今回、あらゆるCFTR変異に対して作用し得る小分子の効果を調べている。非選択的なイオンチャネルを形成するアンホテリシンBが、肺上皮におけるイオン輸送を改善して、CF患者由来の培養細胞やCFのブタモデルで抗菌活性などの機能的特性を回復させることが明らかになった。CFTRに依存しないこの効果は、この戦略が、異なるCFTR変異を持つCF患者に広く適用できる可能性を示唆している。
2019年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:皮質回路で影響をマッピング
がん:グリオブラストーマの代謝脆弱性
天文学:銀河系中心を貫くX線の「チムニー」
DNAナノテクノロジー:分子でアルゴリズムを実行する
化学:ケトンを壊して作り変える
神経科学:振動を符号化する
免疫学:STING活性化の構造基盤
がんゲノミクス:乳がんの遅発性再発の予測を向上させる
医学研究:嚢胞性繊維症におけるイオン分泌と気道防御の回復
分子生物学:mRNA修飾を引き起こすヒストン修飾
化学生物学:アルキンを産生する微生物