Nature ハイライト
化学生物学:アルキンを産生する微生物
Nature 567, 7748
アジドとアルキンの間での「クリック反応」(確実な結合を簡単に作る反応)は、生体分子を標識する方法として、化学生物学で幅広い用途が明らかになっている。その理由の1つは、アジドとアルキンはどちらも、in vivoで一般的な基質ではないことである。今回M Changたちは、末端アルキンを含むアミノ酸であるβ-エチニルセリンの微生物による生合成について報告している。このアミノ酸残基は、ハロゲンやアルケンを含む中間体に加えて、アレンと推定される中間体も関わる珍しい反応経路を介して作られる。さらに、この経路を大腸菌(Escherichia coli)に組み込んで、メチオニンの位置をプロテオーム規模で標識できることも明らかになった。これらの知見は、アルキン組み込みと「クリックケミストリー」がin vivoでも可能なことを示唆している。
2019年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:皮質回路で影響をマッピング
がん:グリオブラストーマの代謝脆弱性
天文学:銀河系中心を貫くX線の「チムニー」
DNAナノテクノロジー:分子でアルゴリズムを実行する
化学:ケトンを壊して作り変える
神経科学:振動を符号化する
免疫学:STING活性化の構造基盤
がんゲノミクス:乳がんの遅発性再発の予測を向上させる
医学研究:嚢胞性繊維症におけるイオン分泌と気道防御の回復
分子生物学:mRNA修飾を引き起こすヒストン修飾
化学生物学:アルキンを産生する微生物