Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
Nature 574, 7776
ペストの原因菌であるペスト菌(Yersinia pestis)による発病は、III型分泌装置(T3SS)による宿主免疫細胞へのエフェクタータンパク質の送達に依存する。今回O SchneewindとD Missiakasたちは、N-ホルミルペプチド受容体であるFPR1が、生理的に関連のあるペスト受容体であることを報告している。FPR1はペスト菌のT3SSのニードルキャップタンパク質LcrVと相互作用することが分かった。複数の手法を用いて、ペスト菌エフェクターのマクロファージへの送達にFPR1が必須であること、免疫細胞のペスト菌への走化性にはT3SSとFPR1が必要であること、Fpr1−/−マウスは野生型マウスよりも生存率やペストを防御する抗体応答が上昇していることが実証された。また、ヒトFPR1の一塩基多型がペスト菌に対する防御に関連することも示されている。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見