Nature ハイライト

病原体:明らかになったペスト受容体

Nature 574, 7776

ペストの原因菌であるペスト菌(Yersinia pestis)による発病は、III型分泌装置(T3SS)による宿主免疫細胞へのエフェクタータンパク質の送達に依存する。今回O SchneewindとD Missiakasたちは、N-ホルミルペプチド受容体であるFPR1が、生理的に関連のあるペスト受容体であることを報告している。FPR1はペスト菌のT3SSのニードルキャップタンパク質LcrVと相互作用することが分かった。複数の手法を用いて、ペスト菌エフェクターのマクロファージへの送達にFPR1が必須であること、免疫細胞のペスト菌への走化性にはT3SSとFPR1が必要であること、Fpr1−/−マウスは野生型マウスよりも生存率やペストを防御する抗体応答が上昇していることが実証された。また、ヒトFPR1の一塩基多型がペスト菌に対する防御に関連することも示されている。

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