Nature ハイライト
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
Nature 574, 7776
現代の臨床業務が新生児の腸内微生物相の獲得に及ぼす影響は分かっていない。今回T Lawleyたちは、これまで調べられたうち最大の新生児コホート(生後1か月以内)において、英国の病院で生まれた596人の満期産児とその母親について、腸内微生物相の縦断的な試料採取(乳児期後期にも追跡試料を収集)とメタゲノム解析を行った。その結果、分娩様式が新生児期の腸内微生物相の組成に影響を及ぼす重要な要因であり、またこの影響は乳児期にも持続することが分かった。帝王切開による分娩では、母親から新生児へのバクテロイデス属(Bacteroides)細菌の伝播が起こらず、病院環境由来の抗微生物薬耐性日和見病原体が新生児に定着する率が高まっていた。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見