Nature ハイライト
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見
Nature 574, 7776
ヘリオロドプシンは、光感受性タンパク質からなる大型のロドプシンスーパーファミリーに属することがメタゲノム解析により最近突き止められた。濡木理(東京大学)たちは今回、テルモプラズマ目(Thermoplasmatales)に属するアーキアの一種で、非培養のSG8-52-1由来のヘリオロドプシンの構造を報告している。その構造は、膜内で逆のトポロジーを示すこと以外は、タイプ1微生物由来ロドプシンと似ている。ヘリオロドプシンの生理的役割はまだ分かっていないが、非常にゆっくりした光反応動態からシグナル伝達光受容体として機能していることが示唆されている。原子間力顕微鏡による測定からは、テルモプラズマ目ヘリオロドプシンは二量体として機能していることが確認された。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見