Nature ハイライト
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
Nature 574, 7776
ボース・アインシュタイン凝縮体は極めて低い温度における希薄気体の物質状態であり、この凝縮体ではほとんどのボース粒子が最低の量子状態を占めている。この凝縮体はまた、半導体の量子井戸状態やグラフェンに見られるように、結晶物質中で、励起子のようなボース準粒子によっても形成され得る。今回K Makたちは、二次元遷移金属ジカルコゲニドのファンデルワールスヘテロ構造において、100 Kを超える温度でも層間励起子の凝縮が起こることを実証している。こうした物質では励起子結合エネルギーが大きく、二層構造とトンネル障壁を用いることで励起子の寿命が最大になるため、ボース・アインシュタイン凝縮体が高温で存在する。今回の結果は、凝縮体を用いたオプトエレクトロニクスや励起子媒介超伝導への第一歩である。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見