Nature ハイライト
合成:アジド合成を容易に
Nature 574, 7776
アジドは、2つの点で最もよく知られた官能基である。1つはアルキンを有するほとんど全ての分子とクリック反応で結合すること、もう1つは爆発の可能性である。今回J DongとK Sharplessたちは、新しいジアゾ化試薬フルオロスルフリルアジドを用いて第1級アミンからアジドを合成する安全かつ実用的な方法を報告している。第1級アミンは、最も豊富に存在する化学官能基の1つであるため、クリック反応で結合可能な分子の種類が大幅に増える。96ウェルプレート上で1200種を超えるアジドが合成され、そのうちの約半数がこれまで知られていなかった化合物であった。今回のアミンからアジドへの変換反応は、広い基質許容性を示す高収率かつ高速で単純な反応であり、この変換自体が新しい「クリック」反応といえる。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見