Nature ハイライト
Cover Story:ねじ曲げられた神経:固形腫瘍はニューロンを操作してがんの増殖を促進する
Nature 578, 7795
表紙は、ニューロンの傍に密集している固形腫瘍の想像図である。今回M Amitたちは、頭頸部がん細胞が、近傍の神経細胞を操作してがんの増殖を促進することを示している。著者たちは、がん細胞が小さなRNA分子(マイクロRNA)を含む小胞を分泌し、こうした小胞が近傍の感覚神経細胞に取り込まれることを見いだした。がん細胞が変異型のp53を持つと、分泌された小胞には、神経細胞の成長を阻害するマイクロRNAが現れない。その結果、こうした小胞は神経細胞の増殖を促進し、これを再プログラム化してアドレナリン作動性ニューロンに変え、腫瘍の増殖を助ける。
2020年2月20日号の Nature ハイライト
原子物理学:反水素の量子電磁力学
光物理学:自由電子レーザーにおけるアト秒パルス
材料化学:したたり落ちる液滴で発電
化学:光を用いた希少糖の合成
気候科学:大気中のメタンに残されたヒトの痕跡
進化学:前障の睡眠への関与
微生物学:全球に分布する巨大ファージ
微生物学:巨大ウイルスの全球的多様性
がん:AQP5は胃幹細胞に豊富に存在する
代謝:GDF15はメトホルミンの作用を仲介する
エピジェネティクス:X染色体不活性化を分子的に統合する因子
細胞生物学:活動中のキュリン–RING型E3リガーゼ