Volume 578 Number 7795

Editorials

生物多様性に関する次なる世界目標は、測定可能かつ有意義なものにしなければならない。

The United Nations must get its new biodiversity targets right p.337

doi: 10.1038/d41586-020-00450-5

英国の大学の研究評価制度(REF)については賛否両論あり、REF 2021が最後になる可能性もある。

Will the latest UK Research Excellence Framework turn out to be the last? p.338

doi: 10.1038/d41586-020-00451-4

News

生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)に向けて進められている作業部会では、中国の取り組みが注目の的に。

China takes centre stage in global biodiversity push p.345

doi: 10.1038/d41586-020-00362-4

COVID-19の治療法について、中国で抗HIV薬、幹細胞療法、漢方薬など多数の臨床試験が。

More than 80 clinical trials launch to test coronavirus treatments p.347

doi: 10.1038/d41586-020-00444-3

COVID-19が、大流行のリスクの高いアフリカやアジアで、見逃されているとの懸念も。

Scientists fear coronavirus spread in countries least able to contain it p.348

doi: 10.1038/d41586-020-00405-w

ホスティング費の有料化に伴い、インドネシアのプレプリントサーバーINA-Rxivが資金難から閉鎖を。

Popular preprint servers face closure because of money troubles p.349

doi: 10.1038/d41586-020-00363-3

News Features

アフリカのゲノミクスの新章

The next chapter for African genomics p.350

ナイジェリアの新興企業が、自国をアフリカ遺伝学研究のハブにしようと、予算の不足やインフラの不備など数々の困難に立ち向かいながら奮闘している。

doi: 10.1038/d41586-020-00454-1

News & Views

エピジェネティクス:X染色体を沈黙させる方法

How to silence an X chromosome p.365

今回、ノンコーディングRNAのXistが、SPENタンパク質を動員して一群のタンパク質複合体を集合させ、雌の哺乳類細胞にある2つのX染色体のうちの1つの転写を妨げる過程を開始させることが分かった。

doi: 10.1038/d41586-020-00207-0

材料科学:表面の粗さがさまざまなスケールでよく似ている理由

Why surface roughness is similar at different scales p.366

表面の大半は、さまざまな長さスケールで凸凹している。金属系材料では、そうした材料の滑らかなブロックを圧縮すると、原子レベルで現れる凸凹からこうした特徴が生じることが、今回シミュレーションによって示された。

doi: 10.1038/d41586-019-03952-z

がん:p53タンパク質の喪失が神経を悪用して腫瘍を増殖させる

Loss of p53 protein strikes a nerve to aid tumour growth p.367

腫瘍は、ニューロンに絡まって増殖することが多く、がんの治療を難しくしている。今回、がん細胞が近傍のニューロンを乗っ取って腫瘍の増殖を促進するという知見が得られ、新たな治療標的が示唆された。

doi: 10.1038/d41586-020-00328-6

原子物理学:反水素を用いた基本対称性の検証

Fundamental symmetry tested using antihydrogen p.369

電荷–パリティ–時間対称性と呼ばれる自然の性質の破れによって、宇宙に観測されている反物質の不足を説明できる可能性がある。今回、反物質原子の反水素を使って、こうした対称性の破れの追究が行われた。

doi: 10.1038/d41586-020-00384-y

回顧:氷河期の鉄仮説の30年

30 years of the iron hypothesis of ice ages p.370

1990年に、それまで気候科学を研究したことのなかった海洋学者が、海の鉄濃度の上昇によって氷河期の寒冷化が増幅されたという説を提案し、これをきっかけに関連研究が激増した。

doi: 10.1038/d41586-020-00393-x

細胞生物学:転移中のユビキチタンパク質が捉えられた

Transfer of ubiquitin protein caught in the act p.372

ユビキチン化と呼ばれる過程は、細胞タンパク質の調節された破壊を仲介するため、疾患や感染を防ぐ。今回、構造データによって、ユビキチン化酵素の重要な調節因子がこの過程を調整する仕組みが明らかになった。

doi: 10.1038/d41586-020-00325-9

Articles

原子物理学:反水素の微細構造の研究

Investigation of the fine structure of antihydrogen p.375

doi: 10.1038/s41586-020-2006-5

量子物理学:量子幾何学的テンソルと異常ホールドリフトの測定

Measurement of the quantum geometric tensor and of the anomalous Hall drift p.381

doi: 10.1038/s41586-020-1989-2

光物理学:シード型自由電子レーザーを使ったアト秒パルス整形

Attosecond pulse shaping using a seeded free-electron laser p.386

doi: 10.1038/s41586-020-2005-6

材料化学:液滴を用いる高い瞬時電力密度の発電機

A droplet-based electricity generator with high instantaneous power density p.392

doi: 10.1038/s41586-020-1985-6

材料科学:機械学習による電池の高速充電プロトコルの閉ループ最適化

Closed-loop optimization of fast-charging protocols for batteries with machine learning p.397

doi: 10.1038/s41586-020-1994-5

化学:部位選択的エピマー化による希少糖異性体の合成

Synthesis of rare sugar isomers through site-selective epimerization p.403

doi: 10.1038/s41586-020-1937-1

気候科学:産業革命以前の14CH4が示す、より大きな人為起源の化石CH4排出

Preindustrial 14CH4 indicates greater anthropogenic fossil CH4 emissions p.409

doi: 10.1038/s41586-020-1991-8

進化学:爬虫類の前障とその徐波睡眠における役割

A claustrum in reptiles and its role in slow-wave sleep p.413

doi: 10.1038/s41586-020-1993-6

細胞生物学:ATP13A2の欠損はリソソームによるポリアミン排出を障害する

ATP13A2 deficiency disrupts lysosomal polyamine export p.419

doi: 10.1038/s41586-020-1968-7

微生物学:地球全域の生態系に由来する巨大なファージのクレード

Clades of huge phages from across Earth’s ecosystems p.425

doi: 10.1038/s41586-020-2007-4

微生物学:全球的メタゲノミクスから明らかになった巨大ウイルスの多様性と宿主との相互作用

Giant virus diversity and host interactions through global metagenomics p.432

doi: 10.1038/s41586-020-1957-x

がん:AQP5は胃遠位部の幹細胞とがん起源細胞に豊富に存在している

AQP5 enriches for stem cells and cancer origins in the distal stomach p.437

doi: 10.1038/s41586-020-1973-x

代謝:GDF15は体重やエネルギー収支に対するメトホルミンの効果を仲介する

GDF15 mediates the effects of metformin on body weight and energy balance p.444

doi: 10.1038/s41586-019-1911-y

がん:頭頸部がんにおけるp53の喪失はニューロンの再プログラム化を促す

Loss of p53 drives neuron reprogramming in head and neck cancer p.449

doi: 10.1038/s41586-020-1996-3

エピジェネティクス:SPENはX染色体不活性化の転写制御とエピジェネティック制御を統合する

SPEN integrates transcriptional and epigenetic control of X-inactivation p.455

doi: 10.1038/s41586-020-1974-9

細胞生物学:NEDD8は、多価キュリン–RING–UBE2Dユビキチン連結反応複合体の核となる

NEDD8 nucleates a multivalent cullin–RING–UBE2D ubiquitin ligation assembly p.461

doi: 10.1038/s41586-020-2000-y

細胞分裂:微小管の重合核形成因子γ-TuRCの集合と活性化についての知見

Insights into the assembly and activation of the microtubule nucleator γ-TuRC p.467

doi: 10.1038/s41586-019-1896-6

構造生物学:コヒーシン–CTCFに係留されたループの構造基盤

The structural basis for cohesin–CTCF-anchored loops p.472

doi: 10.1038/s41586-019-1910-z

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度