Nature ハイライト
原子物理学:反水素の量子電磁力学
Nature 578, 7795
反物質の高精度の測定によって、物質と反物質の間に存在する可能性のある物理的性質の違いが調べられる。それらの基本的な振る舞いの違いは、反物質よりも物質が支配的である宇宙の形成を理解するのに役立つ可能性がある。今回、ALPHAコラボレーションは、反陽子と陽電子(反電子)でできた原子である反水素の物理的性質を、これまでにない深いレベルで調べている。分光測定によって、捕捉された反水素の原子準位に対する補正が見積もられ、相対論的効果(微細構造)と量子電磁力学(ラムシフト)が説明された。これらの効果が通常の物質で説明されたのは、1900年代後半のことにすぎない。今回の測定結果は、水素での観測結果や理論的な予測結果と一致し、これによって自然の基本対称性の検証が得られる。
2020年2月20日号の Nature ハイライト
原子物理学:反水素の量子電磁力学
光物理学:自由電子レーザーにおけるアト秒パルス
材料化学:したたり落ちる液滴で発電
化学:光を用いた希少糖の合成
気候科学:大気中のメタンに残されたヒトの痕跡
進化学:前障の睡眠への関与
微生物学:全球に分布する巨大ファージ
微生物学:巨大ウイルスの全球的多様性
がん:AQP5は胃幹細胞に豊富に存在する
代謝:GDF15はメトホルミンの作用を仲介する
エピジェネティクス:X染色体不活性化を分子的に統合する因子
細胞生物学:活動中のキュリン–RING型E3リガーゼ